朝8時15分に南口にいるはずの私は8時9分の今、明大前にいた。
朝の電車に特急が少ない。忘れていたのだ。すっかり。
乗ってしまった電車は速くはならないし、私はひたすら祈るようにして新宿へ着くのを待ち、ひたすらに東口から南口へ走った。
10分ほど遅刻。ガブちゃんに声を掛けられて出会う。そうじゃなかったら通り過ぎて、どこかへ行ってしまっていた。
ここちゃんとも会って、文化センターへ向かう。途中のコンビニで、大きなアポロと伊右衛門を買う。
文化センターは一年ちょっとぶり。つまり去年のマラリーぶり。
心底なつかしかった。
でも、実感がわかない。
今日はマラリーだとか自分が出るんだとかそういうのが全然わかない。
昨日の夜から食事をとれず、今朝も食欲がないのでアポロをほおばりながら
伊右衛門を飲んでいる。
9時頃田中槐姉さん到着。
案の定、叱られた。
こういうことを書くとちょっと不真面目っぽく思われそうで嫌なんだけど、本人には恥ずかしくて言えなかったのでこそっとここに書こう。
叱られて、ほっとしました。
ここのところ学校関連で主に、
ずっと不条理なことで怒られてばかりいたんだけど、
言い訳の出来ない、全面的に自分が悪いというときに適切に叱られるというのは安心することなんだと思った。
何度目かわからないけど、やっぱり何度でも謝ります。
当日までテキスト提出しなくて本当にごめんなさい。
前日まで作ってました。本当にごめんなさい。
もうしません、と言いたいところだけど残念ながらまたいつかしてしまいそうな気がする。これからは絶対気を付けます。
10時からリハ開始。
昨日出来上がったテキストとはいえ、作り出したときからずっと声に出しながら作っていたのでイメージは出来ていたんだけど、舞台の力は大きい。
去年はものすごく練習して臨んだんだけど、リハで舞台に立ったら全然違う感じになったのだった。結構練習した千夜一夜でもそうで、実はあまり練習らしい練習をしていない今年もやっぱりそうだった。これってどうなんだ。
舞台と照明と音響の力ってすごい。
自分ではどんな風になっているのか見えないのですけども、
照明がすごーく気持ちよかった。です。
一寸先も見えないような暗闇の中で、
太陽みたいにまぶしい白い照明を見上げた瞬間すごくぎゅっときた。
一度朗読後、どうやらうつむきがちになってしまうらしい私にマイクを合わせてもらう。秋月さんからのお言葉もいただく。
声をもっと大きく、とか、最後の一礼は一拍おいて、とか。
ふむ。と受け止めてもう一度やらせていただく。ありがとうございました。
第一楽屋前で鈴木有機くんと出会う。ここでもお言葉をもらってありがたく胸へ。そのあたり注意して、誰もいないすきに第二楽屋のカーテンの陰で練習をする。

第二楽屋入り口。
リハが終わっても11時前。
3時の開演まで何をしてすごそう。
耳に薬を入れてじっとしていたり(10分)、
食欲がなくて食べられそうもなかったおにぎりに手を付けたり(食べられた)
ヲタ話をしたり、
珂瀾さんの水色のウィッグに見とれたり、
にしざきさんに写真をとってもらったり、
雑談をしたりしてすごす。
その間にどんどん浮かれてきた私は、何かから解き放たれた生き物になってみんなが忙しくしているロビーを無意味にぱたぱたしたり、たばこの煙にやられて逃げたり、他の人のリハをのぞいたり、はしるにちょっかいをだしたり、窓辺に座ったり、まぁまぁ落ち着きのない生き物のきわみだった。あれは相当なもんだった。動物園の熊どころじゃなかった。うちの犬並の落ち着きのなさだった。
2時頃着替える。
2時半に楽屋集合。
のえみちゃんから力をもらう。
ささやくような励ましが、染みこむ。大好き。
ようやく実感がわいてきた。軽く緊張してきた。
階段で少し練習。

袖口へつながる扉。
浮かれた私は浮かれたまま袖口にいる。
槐姉さんの隣で、ぽろぽろおかしな話をする。
暗い袖口から少し客席が見える。
3時 開演。槐姉さんの挨拶。袖から見える姉さんと、モニターで見える姉さんは別人のようで、どきどきする。
(1)多田百合香
トップバッター。
姉さんの挨拶中に立ち上がり、浮かれた気分を沈める。
まだ実感がわいていないような気分の中で、少しずつ少しずつどきどきが高まってくる。ゆきちゃんとくっついたりする。ゆきちゃんかわいい。
みんなにほほえまれて、斉藤さんに握手をしてもらって(昨年は村井パパだったポジション)きゅっと気合いを入れる。
一昨年は東直子さん、去年は雪舟えまさんというすごい朗読者のポジションにすぽっと入ってしまった私は、その第一報を聞いた瞬間大分気がふれたようになり、まずは何のことだか分からず、それからどーしょ。と、顔面蒼白になりました。とりあえず作品と朗読ではかなわないので、東さんもえまちゃんも歌を歌ったから、私も歌を歌わなくてはいけないのかしらと思ったり、どうしようどうしようと思っていました。
年と同じ数だけ18首を朗読しました。
人が入ると声の通りが全然違って、声を出した瞬間、あっ、違う。と思いました。聞こえていただろうか、ちゃんと。
やり直しがきかない一回きりのものだから、朗読って恐ろしくて美しい。
色々思うところあったけどそれはまた後日。
気持ちよかったです。すごい気持ちよかった。。
(2)佐藤有希
聴きたかったんだけど聴けなかった。
楽屋でのえみちゃんにハグされていた。
私はいつもいつも朗読前にのえみちゃんにぷにぷにされてぎゅってしてもらってる。のえみちゃんにはすごいパワーがあって、そうされると本当にホッとするの。
モニターで観るゆきちゃんは色っぽい声で、素敵だった。ちゃんと聴けたら良かったね。ごめんね。
変な高揚感に包まれる。安心と、興奮。
(3)〜(5)
ごめんね、着替えたりしていて聴けていません。
村田さんは今年も慶さんとのコンビだった。慶さんと村田さんは普段からすごく仲良しで素敵です。朗読の時もすごく素敵なコンビでいいなぁ。
(6)伴風花
去年すごい評判で、今年は聴かなきゃと思っていた。
やっぱり素敵だった。BGMも良かった。いいなぁ。きれいなおねえさんはいいなぁ。
(7)紺乃卓海
リハに圧倒された。すごい迫力。
黒いスリップ姿で、ぼろぼろの紙を持って。
私には出来ないなーと思う。
休憩。
(8)鈴木有機
はじめてまともに朗読を聴く。
細身で長身の鈴木さんはマシントラブルに見舞われて大変そうだったんだけど、それでも落ち着いていて好感。
長いテープ状のものをずるずるひっぱりながらの朗読。
いつもちらちらとは観ていたんだけど、舞台度胸って言うのかな。演出能力って言うのかな。なんかいろいろある人だ。すごいなー。
一首が少しずつ変化していって違う一首になる。
去年の足立智美さんを思い出す。
(9)茂泉朋子
キティちゃんをありがとう!
茂泉さんの朗読は堂々としていて素敵。
(10)中島裕介
今回は踊らない、笑いをとらない。な、中島さん。
初めて観たとき中島さんはあの長身をいかして踊っていらしてとても美しくてかっこよくて感動したのだった。それがいまでも目に焼き付いていて、中島さんをみるたびにうわぁあのひとだ。と思っている。けどちょっと恥ずかしいから言わない。
踊らなくてもやっぱり中島さんはきれいでかっこよかった。
声がすごい通る方だから、声を発した瞬間、わっと心に入ってきた。すごい聴きやすかったです。
あとさー、
中島裕介
ってこの名前、すごい美しいよね。響きも、漢字も。
(11)木棚環樹
ロビーとか楽屋とかでひとり不思議な空気をかもしだしていたモヒカンのひと。独特のことをしていた。私には出来ないけどああいうのも有りだと思う。詩のボクシングとかに出ていそうだ。
(12)Sin
川柳の朗読。椅子に腰掛けて朗読される姿は大人で、余裕があるみたいに感じた。かっこよかった。思い出そうとするとすこしイメージがセピアになる。17文字の朗読っていいなぁ。今年は村井さんも二健さんも(この二人は俳句だけど)もWE ARE!もいなくて寂しいけど、Sinさんの朗読聞けたのでよかったです。
(13)野原亜莉子
今年で観るのは3度目。
すごいいい朗読だったーと思っています。
外国の童話に出てくるようなかわいいわがままな少女が
最後はぞっとする、たとえが上手くなくて申し訳ないけど、
グルーミーとか、KERAに載ってるような漫画みたいな…
ああなんていったらいいんだろう。すごいよかったと思うんです。
お人形さん抱っこさせてもらったんだ。すごく嬉しい。きれいだった。
(14)夏瀬佐知子
どんぐりさーん!スタッフとしてすごい働いていたのに、ちゃぶ台持ってきて正座して、はきはきした朗読。聞きやすかった。初めて聞いた。すごいなと思った。
(15)杉山理紀
歌った。歌がすごい上手かった。
私歌わなくて良かった。
シンプルな朗読。
理紀さんの朗読は安心して聴ける感じがするから好き。一部のトリにふさわしいと思った。
休憩
(16)伊津野重美
私がすーごく好きな朗読者。
なんかもう…なんて言うんだろう。今年は立ち方がすごく美しくて、手を上に上げているその姿勢を観ながら、ぼーっとしていた。
声の出し方もすごいしなー。むー。大好きーすごいスキー。声と作品がぴたり当てはまる気がする。朗読が終わったとき、抱きしめさせて欲しかった。
(17)黒瀬珂瀾
朗読千夜一夜で朗読されていた「陳」を朗読された。
あまりのうれしさに口が開ききったまま聞いていた。相当間抜け面だったに違いない。美しいなぁ。いつ見ても美しいなぁ。
(18)雪舟えま
アイヌのユーカラと、詩。
テキストに載っていて嬉しかった。
Tororo hanrok, hanrok!
どうしてわたしはこのひとの書くものと朗読がこんなにすきなんだろう。
どうしてわたしはこのひとになれなかったんだろう。
と、いつもいつも思います。
実は歌を歌った方が良いんじゃないかと思ったって最初のほうに書いたけど
歌うこともわりと真剣に考えていて、マオリの歌を歌おうと思ってた。けど。歌わなくて良かった…(二回目)何で歌わないことにしたかというと、その歌を歌えるほどに私は恋をしていなかったから。なんだけどね。
(19)杉山モナミ
不思議な朗読でした。モナミさんらしかった。
声がかわいくて多彩でよく通るのでうらやましいです。
(20)沼谷香澄
やっぱり堂々としていて場慣れしていらっしゃるなぁ、さすがだなぁと思いました。かっこいい女性って感じでした。どきん。
(21)松井茂
よく頑張りました。
(22)田中槐
現実的なんだけどちょっとどこか幻想的…っていうのか、リアルになりすぎないというか、そういうテキスト。
聴きやすい朗読と、テキストを理解する、というか心にテキストを入れる朗読というのは違うと思っています。耳の栄養になるタイプと、テキストを聴かせるタイプというのかなー。
槐姉さんの朗読は、内容が心に届く後者のタイプ。もちろん耳の栄養にもなりました。朗読の仕方、なのかテキストの作り方、なのか。両方だ。
良い声とか良い発声、良い間、良い声量、いろんな要素において優れている朗読者でいらっしゃるんだなぁ、と思いました。
朗読されたときに良いテキストだと思っても、文字でみるとあれ?と思うことが時々あります。朗読が良ければそれで良いし、逆に朗読がダメでも文字で見たとき良いものであればそれはそれで良いと思うんだけど、槐姉さんの場合、必ず文字で読んだときにも感動する、というところがすごい。
で、そのうち歌集読んでると脳内で槐姉さんの声で再生されるようになるんです。朗読されるのを聴いたことないのに「ふかみどり男への手紙」とかは読むだけで声がきこえてくるのです。
(23)錦見映理子
赤いバックにシルエットが浮かぶ。すごいきれい。すごいかっこいい。
そういうことができるひとはすごい。もうそれだけですごい。
母は錦見さんの朗読がいたくお気に入りらしい。もちろん私も大好き。
朗読を聴くときにいつも勇ましい、と思う。
でもテキストが勇ましさや戦いだけで構成されているわけではないんじゃないか、とも思う。だんだん何かいてるのか分からなくなってきました。ごめんなさい。
(24)正岡豊
やっぱり舞台度胸というのは大事だと思う。
ああいう風になれる日が来るのか。来ないのか。
今回私は三度目にして初めて朗読前に自己紹介をしました。
それは、正岡さんに「自己紹介をした方が良い」と言われたからです。
朗読前に想像以上にフレンドリーに声をかけていただいてわーと嬉しかった。朗読後、フレンドリーにダメ出しをされてほっとした。
声の強弱とかリズムとか、すごい。
寝る前に正岡さんが枕元でお話とか読んでくれたらますます眠れなくなると思う。
(25)石井辰彦
香り立つような朗読。
テロ以前/以降の話は、考えさせられました。
それから、石井さんにはぜひそれを叫び続けていて欲しいのです。
「母でありたい」は、石井さんにしか言えない、石井さんにしか読めない(し、詠めない)ものだと思いました。これを聴くのは二度目だけど、また感動。とても好き。(さっきから好き好きばっかり言ってる)ご本人に「感動しました」って伝えられて良かった。感動しました、しか言えないのが苦しいけど、そうとしか言えないのです。
休憩
(26)櫂未知子
楽屋で写真を撮って頂きました。申し訳ないです。
すごい面白いあっという間の10分でした。
胸元からするする短冊を出して、読んではかけているバックに捨てる。
「あかさたな」で、あ〜のまでで始まる俳句たち。
あの光る指輪がどうしても欲しかったです。
(27)穂村弘
大好きな「日記」を読まれた。
「穂村さんかヘンタイくらいですよ」が好きです。
穂村さんは天然的朗読でいつもすごい。
キャラ勝ちなのか、天然のボケなのか、
穂村さんは淡々と朗読するだけなのに
思い切り笑いがとれていてうらやましい。
(28)高橋睦郎
挽歌。
昨年に続いて、すごく素敵な朗読だった。
春日井さんに捧げた挽歌が聴きたかったです。
でも、「ぐるぐる巻きにして床下に放り込んでくれ、春になったら目を覚ますから」に受けた衝撃はすごかった。
そしてそれを詩にするすごさ。というか…。
(29)高橋源一郎
どっぴきました。
ごめんなさい。
朗読は、それはそれはお上手なんですけど
受け付けなかった…。
(30)小池昌代
オーソドックスで、とても聴きやすい朗読でした。
最後が、声を超えて映像として浮かび上がるようでした。
(31)岡井隆
やっぱり出ていらっしゃるだけで雰囲気が変わるなぁ、というか
素直にすごい方だとしかいいようがないのです。
総合誌って読んでると、とても有名な方になればなるほど、
肩の力抜ききったような一連が多いですが
岡井さんの場合、いつだって朗読されるとじんと感動します。
岡井さんも、心に染み渡る朗読者。
妹さんの死を歌った岡井さんの一連は、
肩の力をほどよく抜いた、でもすごく感動する一連でした。
肩の力を抜いているように見せている、のかなぁ…。
蝉は右翼と左翼で飛ぶ、とかいう歌が(うろ覚え)ぞくぞくぞくっときました。やばい。
槐姉さんのあいさつで、マラリーが、終わった。

誰もいなくなった客席。
休憩時間ごとに、着替えたり荷物をまとめたりしてすぐに出て行けるように身支度を整えていたので、さくっと外へ出る。
休憩時間のこと全然書いてないけど、色んな方にお会いできて嬉しかったです。
少し落ち着いたロビーで二次会への誘導。
ここちゃんと
「二次会行きますよー」
「二次会移動しまーす」
「行きますよー」
「移動しますよー」
「ついてきてくださーい」
「二次会行きますよー」
「行きますよー」
「行きますよー」
「二次会!」
と叫ぶ。わりと誰もついてこない。
5人くらいしかついてこない。
ついてきた5人だけを信じようと思う。
場所がよく分からないけれど、藤原龍一郎さんがいらしたのでとても安心だった。
二次会会場はすごい不思議な空間だった。
荷物を置いて、入り口の所にテーブルを出してもらって、そこで幹事さんになる。どきどきする。やってきたみんなに笑われてしまった。
私は、名前を記録する係。でもそれすらまともに出来なくて、いい加減にするべきではないかと思った。自分。
数が合わなくて大変だったのです。
名前もっとちゃんときれいに書くべきだった。でも大混乱の中を回って「動かないで!その場でじっとして!」と叫んで一人一人チェックしたはずなのに、一人だけ名前が無かったのが不思議。わりと当たり前だと思ってる人の名が無かったのかもしれないと思った。案外斉藤さんとか。(なんで)
うーん、使えないにもほどが。自分にがっかり。ここちゃんごめんね。
でも変な高揚感とあり得ないテンションの中、飲んでもないのにはしゃぐ多田は多分誰にも止められなかった。感情を全部正直に出してたあの時間、私はまさに犬になっていたんだと思う。ご迷惑を。本当にご迷惑を。本当に本当に。ああ。ああ(思い出す事に恥ずかしくなる)
終電間際の電車に乗って、
村田さんと途中まで一緒に帰る。
島ちんがうちにお泊まりなのでした。うふふ。楽しかった。
多田はずっとひとり反省会してました。
ため息がとまらない。
帰宅したのが12時40分頃だったかしら。
明日もあるのに。
それから、
入試は一週間後でした。
カレンダー読み間違えてました。
相当たくさんの方にご心配おかけしたようで
「人生それでいいのか」などの声をやんややんやと頂きましたが
いいのです。
二日でも一週間でもあまり変わらず
むしろ、好きなことで体が満ちているこの瞬間に面接を受けられたらきっと情熱が伝わる、とすら思う。
なにはともあれ、勘違いでした。
本当にすいません。大丈夫です。
朝の電車に特急が少ない。忘れていたのだ。すっかり。
乗ってしまった電車は速くはならないし、私はひたすら祈るようにして新宿へ着くのを待ち、ひたすらに東口から南口へ走った。
10分ほど遅刻。ガブちゃんに声を掛けられて出会う。そうじゃなかったら通り過ぎて、どこかへ行ってしまっていた。
ここちゃんとも会って、文化センターへ向かう。途中のコンビニで、大きなアポロと伊右衛門を買う。
文化センターは一年ちょっとぶり。つまり去年のマラリーぶり。
心底なつかしかった。
でも、実感がわかない。
今日はマラリーだとか自分が出るんだとかそういうのが全然わかない。
昨日の夜から食事をとれず、今朝も食欲がないのでアポロをほおばりながら
伊右衛門を飲んでいる。
9時頃田中槐姉さん到着。
案の定、叱られた。
こういうことを書くとちょっと不真面目っぽく思われそうで嫌なんだけど、本人には恥ずかしくて言えなかったのでこそっとここに書こう。
叱られて、ほっとしました。
ここのところ学校関連で主に、
ずっと不条理なことで怒られてばかりいたんだけど、
言い訳の出来ない、全面的に自分が悪いというときに適切に叱られるというのは安心することなんだと思った。
何度目かわからないけど、やっぱり何度でも謝ります。
当日までテキスト提出しなくて本当にごめんなさい。
前日まで作ってました。本当にごめんなさい。
もうしません、と言いたいところだけど残念ながらまたいつかしてしまいそうな気がする。これからは絶対気を付けます。
10時からリハ開始。
昨日出来上がったテキストとはいえ、作り出したときからずっと声に出しながら作っていたのでイメージは出来ていたんだけど、舞台の力は大きい。
去年はものすごく練習して臨んだんだけど、リハで舞台に立ったら全然違う感じになったのだった。結構練習した千夜一夜でもそうで、実はあまり練習らしい練習をしていない今年もやっぱりそうだった。これってどうなんだ。
舞台と照明と音響の力ってすごい。
自分ではどんな風になっているのか見えないのですけども、
照明がすごーく気持ちよかった。です。
一寸先も見えないような暗闇の中で、
太陽みたいにまぶしい白い照明を見上げた瞬間すごくぎゅっときた。
一度朗読後、どうやらうつむきがちになってしまうらしい私にマイクを合わせてもらう。秋月さんからのお言葉もいただく。
声をもっと大きく、とか、最後の一礼は一拍おいて、とか。
ふむ。と受け止めてもう一度やらせていただく。ありがとうございました。
第一楽屋前で鈴木有機くんと出会う。ここでもお言葉をもらってありがたく胸へ。そのあたり注意して、誰もいないすきに第二楽屋のカーテンの陰で練習をする。

第二楽屋入り口。
リハが終わっても11時前。
3時の開演まで何をしてすごそう。
耳に薬を入れてじっとしていたり(10分)、
食欲がなくて食べられそうもなかったおにぎりに手を付けたり(食べられた)
ヲタ話をしたり、
珂瀾さんの水色のウィッグに見とれたり、
にしざきさんに写真をとってもらったり、
雑談をしたりしてすごす。
その間にどんどん浮かれてきた私は、何かから解き放たれた生き物になってみんなが忙しくしているロビーを無意味にぱたぱたしたり、たばこの煙にやられて逃げたり、他の人のリハをのぞいたり、はしるにちょっかいをだしたり、窓辺に座ったり、まぁまぁ落ち着きのない生き物のきわみだった。あれは相当なもんだった。動物園の熊どころじゃなかった。うちの犬並の落ち着きのなさだった。
2時頃着替える。
2時半に楽屋集合。
のえみちゃんから力をもらう。
ささやくような励ましが、染みこむ。大好き。
ようやく実感がわいてきた。軽く緊張してきた。
階段で少し練習。

袖口へつながる扉。
浮かれた私は浮かれたまま袖口にいる。
槐姉さんの隣で、ぽろぽろおかしな話をする。
暗い袖口から少し客席が見える。
3時 開演。槐姉さんの挨拶。袖から見える姉さんと、モニターで見える姉さんは別人のようで、どきどきする。
(1)多田百合香
トップバッター。
姉さんの挨拶中に立ち上がり、浮かれた気分を沈める。
まだ実感がわいていないような気分の中で、少しずつ少しずつどきどきが高まってくる。ゆきちゃんとくっついたりする。ゆきちゃんかわいい。
みんなにほほえまれて、斉藤さんに握手をしてもらって(昨年は村井パパだったポジション)きゅっと気合いを入れる。
一昨年は東直子さん、去年は雪舟えまさんというすごい朗読者のポジションにすぽっと入ってしまった私は、その第一報を聞いた瞬間大分気がふれたようになり、まずは何のことだか分からず、それからどーしょ。と、顔面蒼白になりました。とりあえず作品と朗読ではかなわないので、東さんもえまちゃんも歌を歌ったから、私も歌を歌わなくてはいけないのかしらと思ったり、どうしようどうしようと思っていました。
年と同じ数だけ18首を朗読しました。
人が入ると声の通りが全然違って、声を出した瞬間、あっ、違う。と思いました。聞こえていただろうか、ちゃんと。
やり直しがきかない一回きりのものだから、朗読って恐ろしくて美しい。
色々思うところあったけどそれはまた後日。
気持ちよかったです。すごい気持ちよかった。。
(2)佐藤有希
聴きたかったんだけど聴けなかった。
楽屋でのえみちゃんにハグされていた。
私はいつもいつも朗読前にのえみちゃんにぷにぷにされてぎゅってしてもらってる。のえみちゃんにはすごいパワーがあって、そうされると本当にホッとするの。
モニターで観るゆきちゃんは色っぽい声で、素敵だった。ちゃんと聴けたら良かったね。ごめんね。
変な高揚感に包まれる。安心と、興奮。
(3)〜(5)
ごめんね、着替えたりしていて聴けていません。
村田さんは今年も慶さんとのコンビだった。慶さんと村田さんは普段からすごく仲良しで素敵です。朗読の時もすごく素敵なコンビでいいなぁ。
(6)伴風花
去年すごい評判で、今年は聴かなきゃと思っていた。
やっぱり素敵だった。BGMも良かった。いいなぁ。きれいなおねえさんはいいなぁ。
(7)紺乃卓海
リハに圧倒された。すごい迫力。
黒いスリップ姿で、ぼろぼろの紙を持って。
私には出来ないなーと思う。
休憩。
(8)鈴木有機
はじめてまともに朗読を聴く。
細身で長身の鈴木さんはマシントラブルに見舞われて大変そうだったんだけど、それでも落ち着いていて好感。
長いテープ状のものをずるずるひっぱりながらの朗読。
いつもちらちらとは観ていたんだけど、舞台度胸って言うのかな。演出能力って言うのかな。なんかいろいろある人だ。すごいなー。
一首が少しずつ変化していって違う一首になる。
去年の足立智美さんを思い出す。
(9)茂泉朋子
キティちゃんをありがとう!
茂泉さんの朗読は堂々としていて素敵。
(10)中島裕介
今回は踊らない、笑いをとらない。な、中島さん。
初めて観たとき中島さんはあの長身をいかして踊っていらしてとても美しくてかっこよくて感動したのだった。それがいまでも目に焼き付いていて、中島さんをみるたびにうわぁあのひとだ。と思っている。けどちょっと恥ずかしいから言わない。
踊らなくてもやっぱり中島さんはきれいでかっこよかった。
声がすごい通る方だから、声を発した瞬間、わっと心に入ってきた。すごい聴きやすかったです。
あとさー、
中島裕介
ってこの名前、すごい美しいよね。響きも、漢字も。
(11)木棚環樹
ロビーとか楽屋とかでひとり不思議な空気をかもしだしていたモヒカンのひと。独特のことをしていた。私には出来ないけどああいうのも有りだと思う。詩のボクシングとかに出ていそうだ。
(12)Sin
川柳の朗読。椅子に腰掛けて朗読される姿は大人で、余裕があるみたいに感じた。かっこよかった。思い出そうとするとすこしイメージがセピアになる。17文字の朗読っていいなぁ。今年は村井さんも二健さんも(この二人は俳句だけど)もWE ARE!もいなくて寂しいけど、Sinさんの朗読聞けたのでよかったです。
(13)野原亜莉子
今年で観るのは3度目。
すごいいい朗読だったーと思っています。
外国の童話に出てくるようなかわいいわがままな少女が
最後はぞっとする、たとえが上手くなくて申し訳ないけど、
グルーミーとか、KERAに載ってるような漫画みたいな…
ああなんていったらいいんだろう。すごいよかったと思うんです。
お人形さん抱っこさせてもらったんだ。すごく嬉しい。きれいだった。
(14)夏瀬佐知子
どんぐりさーん!スタッフとしてすごい働いていたのに、ちゃぶ台持ってきて正座して、はきはきした朗読。聞きやすかった。初めて聞いた。すごいなと思った。
(15)杉山理紀
歌った。歌がすごい上手かった。
私歌わなくて良かった。
シンプルな朗読。
理紀さんの朗読は安心して聴ける感じがするから好き。一部のトリにふさわしいと思った。
休憩
(16)伊津野重美
私がすーごく好きな朗読者。
なんかもう…なんて言うんだろう。今年は立ち方がすごく美しくて、手を上に上げているその姿勢を観ながら、ぼーっとしていた。
声の出し方もすごいしなー。むー。大好きーすごいスキー。声と作品がぴたり当てはまる気がする。朗読が終わったとき、抱きしめさせて欲しかった。
(17)黒瀬珂瀾
朗読千夜一夜で朗読されていた「陳」を朗読された。
あまりのうれしさに口が開ききったまま聞いていた。相当間抜け面だったに違いない。美しいなぁ。いつ見ても美しいなぁ。
(18)雪舟えま
アイヌのユーカラと、詩。
テキストに載っていて嬉しかった。
Tororo hanrok, hanrok!
どうしてわたしはこのひとの書くものと朗読がこんなにすきなんだろう。
どうしてわたしはこのひとになれなかったんだろう。
と、いつもいつも思います。
実は歌を歌った方が良いんじゃないかと思ったって最初のほうに書いたけど
歌うこともわりと真剣に考えていて、マオリの歌を歌おうと思ってた。けど。歌わなくて良かった…(二回目)何で歌わないことにしたかというと、その歌を歌えるほどに私は恋をしていなかったから。なんだけどね。
(19)杉山モナミ
不思議な朗読でした。モナミさんらしかった。
声がかわいくて多彩でよく通るのでうらやましいです。
(20)沼谷香澄
やっぱり堂々としていて場慣れしていらっしゃるなぁ、さすがだなぁと思いました。かっこいい女性って感じでした。どきん。
(21)松井茂
よく頑張りました。
(22)田中槐
現実的なんだけどちょっとどこか幻想的…っていうのか、リアルになりすぎないというか、そういうテキスト。
聴きやすい朗読と、テキストを理解する、というか心にテキストを入れる朗読というのは違うと思っています。耳の栄養になるタイプと、テキストを聴かせるタイプというのかなー。
槐姉さんの朗読は、内容が心に届く後者のタイプ。もちろん耳の栄養にもなりました。朗読の仕方、なのかテキストの作り方、なのか。両方だ。
良い声とか良い発声、良い間、良い声量、いろんな要素において優れている朗読者でいらっしゃるんだなぁ、と思いました。
朗読されたときに良いテキストだと思っても、文字でみるとあれ?と思うことが時々あります。朗読が良ければそれで良いし、逆に朗読がダメでも文字で見たとき良いものであればそれはそれで良いと思うんだけど、槐姉さんの場合、必ず文字で読んだときにも感動する、というところがすごい。
で、そのうち歌集読んでると脳内で槐姉さんの声で再生されるようになるんです。朗読されるのを聴いたことないのに「ふかみどり男への手紙」とかは読むだけで声がきこえてくるのです。
(23)錦見映理子
赤いバックにシルエットが浮かぶ。すごいきれい。すごいかっこいい。
そういうことができるひとはすごい。もうそれだけですごい。
母は錦見さんの朗読がいたくお気に入りらしい。もちろん私も大好き。
朗読を聴くときにいつも勇ましい、と思う。
でもテキストが勇ましさや戦いだけで構成されているわけではないんじゃないか、とも思う。だんだん何かいてるのか分からなくなってきました。ごめんなさい。
(24)正岡豊
やっぱり舞台度胸というのは大事だと思う。
ああいう風になれる日が来るのか。来ないのか。
今回私は三度目にして初めて朗読前に自己紹介をしました。
それは、正岡さんに「自己紹介をした方が良い」と言われたからです。
朗読前に想像以上にフレンドリーに声をかけていただいてわーと嬉しかった。朗読後、フレンドリーにダメ出しをされてほっとした。
声の強弱とかリズムとか、すごい。
寝る前に正岡さんが枕元でお話とか読んでくれたらますます眠れなくなると思う。
(25)石井辰彦
香り立つような朗読。
テロ以前/以降の話は、考えさせられました。
それから、石井さんにはぜひそれを叫び続けていて欲しいのです。
「母でありたい」は、石井さんにしか言えない、石井さんにしか読めない(し、詠めない)ものだと思いました。これを聴くのは二度目だけど、また感動。とても好き。(さっきから好き好きばっかり言ってる)ご本人に「感動しました」って伝えられて良かった。感動しました、しか言えないのが苦しいけど、そうとしか言えないのです。
休憩
(26)櫂未知子
楽屋で写真を撮って頂きました。申し訳ないです。
すごい面白いあっという間の10分でした。
胸元からするする短冊を出して、読んではかけているバックに捨てる。
「あかさたな」で、あ〜のまでで始まる俳句たち。
あの光る指輪がどうしても欲しかったです。
(27)穂村弘
大好きな「日記」を読まれた。
「穂村さんかヘンタイくらいですよ」が好きです。
穂村さんは天然的朗読でいつもすごい。
キャラ勝ちなのか、天然のボケなのか、
穂村さんは淡々と朗読するだけなのに
思い切り笑いがとれていてうらやましい。
(28)高橋睦郎
挽歌。
昨年に続いて、すごく素敵な朗読だった。
春日井さんに捧げた挽歌が聴きたかったです。
でも、「ぐるぐる巻きにして床下に放り込んでくれ、春になったら目を覚ますから」に受けた衝撃はすごかった。
そしてそれを詩にするすごさ。というか…。
(29)高橋源一郎
どっぴきました。
ごめんなさい。
朗読は、それはそれはお上手なんですけど
受け付けなかった…。
(30)小池昌代
オーソドックスで、とても聴きやすい朗読でした。
最後が、声を超えて映像として浮かび上がるようでした。
(31)岡井隆
やっぱり出ていらっしゃるだけで雰囲気が変わるなぁ、というか
素直にすごい方だとしかいいようがないのです。
総合誌って読んでると、とても有名な方になればなるほど、
肩の力抜ききったような一連が多いですが
岡井さんの場合、いつだって朗読されるとじんと感動します。
岡井さんも、心に染み渡る朗読者。
妹さんの死を歌った岡井さんの一連は、
肩の力をほどよく抜いた、でもすごく感動する一連でした。
肩の力を抜いているように見せている、のかなぁ…。
蝉は右翼と左翼で飛ぶ、とかいう歌が(うろ覚え)ぞくぞくぞくっときました。やばい。
槐姉さんのあいさつで、マラリーが、終わった。

誰もいなくなった客席。
休憩時間ごとに、着替えたり荷物をまとめたりしてすぐに出て行けるように身支度を整えていたので、さくっと外へ出る。
休憩時間のこと全然書いてないけど、色んな方にお会いできて嬉しかったです。
少し落ち着いたロビーで二次会への誘導。
ここちゃんと
「二次会行きますよー」
「二次会移動しまーす」
「行きますよー」
「移動しますよー」
「ついてきてくださーい」
「二次会行きますよー」
「行きますよー」
「行きますよー」
「二次会!」
と叫ぶ。わりと誰もついてこない。
5人くらいしかついてこない。
ついてきた5人だけを信じようと思う。
場所がよく分からないけれど、藤原龍一郎さんがいらしたのでとても安心だった。
二次会会場はすごい不思議な空間だった。
荷物を置いて、入り口の所にテーブルを出してもらって、そこで幹事さんになる。どきどきする。やってきたみんなに笑われてしまった。
私は、名前を記録する係。でもそれすらまともに出来なくて、いい加減にするべきではないかと思った。自分。
数が合わなくて大変だったのです。
名前もっとちゃんときれいに書くべきだった。でも大混乱の中を回って「動かないで!その場でじっとして!」と叫んで一人一人チェックしたはずなのに、一人だけ名前が無かったのが不思議。わりと当たり前だと思ってる人の名が無かったのかもしれないと思った。案外斉藤さんとか。(なんで)
うーん、使えないにもほどが。自分にがっかり。ここちゃんごめんね。
でも変な高揚感とあり得ないテンションの中、飲んでもないのにはしゃぐ多田は多分誰にも止められなかった。感情を全部正直に出してたあの時間、私はまさに犬になっていたんだと思う。ご迷惑を。本当にご迷惑を。本当に本当に。ああ。ああ(思い出す事に恥ずかしくなる)
終電間際の電車に乗って、
村田さんと途中まで一緒に帰る。
島ちんがうちにお泊まりなのでした。うふふ。楽しかった。
多田はずっとひとり反省会してました。
ため息がとまらない。
帰宅したのが12時40分頃だったかしら。
明日もあるのに。
それから、
入試は一週間後でした。
カレンダー読み間違えてました。
相当たくさんの方にご心配おかけしたようで
「人生それでいいのか」などの声をやんややんやと頂きましたが
いいのです。
二日でも一週間でもあまり変わらず
むしろ、好きなことで体が満ちているこの瞬間に面接を受けられたらきっと情熱が伝わる、とすら思う。
なにはともあれ、勘違いでした。
本当にすいません。大丈夫です。
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